東工大の伊藤拓水研究員、半田宏教授らは、磁性のある微粒子と磁石を使いサリドマイドが「セレブロン」というたんぱく質と結合することを突き止めた。
次にセレブロンの機能を調べるため、魚のゼブラフィッシュの受精卵に、セレブロンを作らないようにする物質を注入。生まれたゼブラフィッシュに、胸びれが生えなかったり耳が小さくなる奇形が生じた。さらに、ゼブラフィッシュやニワトリの受精卵で、セレブロンがサリドマイドと結合できないよう操作した後、サリドマイドを投与すると、胸びれや翼が生え、奇形を招く性質が抑えられることを確認した。
セレブロンはヒトでも四肢の形成にかかわるとみられ、研究チームは「がんなどの治療薬としてのサリドマイドの有効な作用に、セレブロンが関係しているのか今後調べたい」と話す。
サリドマイドは1950年代以降、鎮静・催眠剤として世界的に服用されたが、大規模な薬害が起き販売停止となった。その後、98年に米国がハンセン病の治療薬として承認。血液のがん「多発性骨髄腫」の治療薬としても米国が06年、日本が08年に承認するなど、多くの国が認めている。【須田桃子】
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